生死一如

生死一如(しょうじいちにょ)という言葉があります。私たちは生と死を対極的に考えがちですが、もとより生は死につながっています。これは誰にでも分かることでしょう。そして死もまた生の始まりであります。身近なことに目を向けるならば、生き物の遺骸は新たな生命を育む土壌になっています。宇宙の仕組みというものは、すべて連続であり連環されたものであると言えましょう。私どもの命もこうした大きな連環のなかにあり、生であっても死であっても、それは状態を表したにすぎません。どちらかに偏った考え方を持つことは、正しいものの見方とは言えないのです。死を考えることは決して無駄なことではなく、むしろ今の生をより豊かに変えてくれることでしょう。

 

善福寺 住職 伊東 昌彦

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