写真とは

写真とは、というと特に深く疑問に思うことなく、あぁ写真ね、と共通のものを思い浮かべると思いますが、では英語のphotograph(フォトグラフ)が知られるようになってから作られた訳語なのかというとそういったものでは無い様です。あらためて『写真』という文字を見てみると、真を写す、と読むことができるかと思います。写真という言葉自体は、いわゆるカメラが登場するよりはるか昔、中国の明代の書物にも記述があるそうですが、後に日本にも西洋からphotography(フォトグラフィ/写真術、写真撮影)が伝わり、様々な訳語が考えられる中で、結果的に『写真』に落ち着いたという背景があると言われています。
 
中国で言う写真とは、元々肖像画のことであり、そこには、姿かたちだけではなく、その像主の本質、精神性といったもの、つまり『真』を写し取り表現することが求められていたためだと考えられています。
 
時代は変わりデジタル時代、カメラはもちろん、スマートフォンなど携帯できる各種機器でも簡単に写真を撮ることができるようになりましたし、何かを記録する装置としては手軽この上なく、便利なものだと思います。テクノロジーの発達により比較的簡易にさまざまな表現をすることもできるようになってきていると思います。ですが、何を撮りたいのか、はあくまで人が何を伝えたいか、に基づくものであって、ただその基本にあることを忘れずにありたいものだと思うのです。何を記録するか、それがどんな記憶の一枚になるのか、を決めるのは人であって、テクノロジーはその感性をどのように表現し、何を伝えたいのかを助けてくれるものであるからです。
 
 
終活支援サイト『のこす記憶.com』がお届けする『のこす記憶.comコラム』では、日常生活の何気ない一コマから、のこし伝えていきたい記憶を不定期更新で綴ってまいります。