朝の音 ~新型コロナウイルス感染症拡大リスクの中で~

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図るべく、緊急事態宣言が4月7日に発出されてから、3週間以上が過ぎました。2月末に様々な感染拡大防止策が追加、強化する形で講じられはじめてからだと、もう2か月以上が経ちます。この新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方、また感染により今この時も苦しんでいる方が全国に多くいらっしゃる中、ただ一日も早い終息を願うばかりです。
 
感染リスクという見えない恐怖と否応なしに向き合わなければならない今、命を守るために様々な社会経済活動に著しい制限がかけられ、感染リスクによる生命の危険に加えて、先の見えない大きな不安を抱えていない人はいない状態が続いています。今日明日の暮らしさえ見えないという人が日々社会にあふれてきて、支え合いにもどうしても限りがあり、国や自治体による迅速な支えなしには、社会全体がより深手を負うことになってしまいます。
 
活動を停止させられてしまった今、いたるところで街明かりも早くに暗くなり、都心部でも週末とは思えないような静寂につつまれています。そして明け方には、澄んだ空気に包まれた、いつもよりしんと静まり返った世界が、まるで何もかもが無くなってしまったかのような印象さえ与えてきます。そんな中、耳に入ってきた、遠ざかっていく新聞配達のカブのエンジン音は、社会はそれでも動いているんだな、と感じさせてくれるものでした。
 
元のようには、同じようには戻らないところがきっとたくさんあることと思います。けれども、少なくとも人が人として暮らしていける社会、未来を見据えることができる社会を再び取り戻すために、できることを、できるだけ、ひとりひとりが今やっていければ、と思います。

 

 
終活支援サイト『のこす記憶.com』がお届けする『のこす記憶.comコラム』では、日常生活の何気ない一コマから、のこし伝えていきたい記憶を不定期更新で綴ってまいります。