非常時こそ相手を尊重して

新型コロナウイルスの第2波が押し寄せてきそうですが、国民の健康を優先にしながらも、経済活動の再開・維持をしなければならない状況は、私たちひとりひとりの行動が大きな鍵になることを示しています。遊興は自粛すべきとの論調は強いですが、当然そこにも経済活動が関わってきます。かと言って以前のように振る舞いますと、あっという間に感染は広がることでしょう。感染防止をすることはもはや国民として必須のことです。しかし、防止策の取り方について言えば、個人で温度差があるのも確かです。たとえば外食をするということについて、防止策のされている店ならばどこでも大丈夫と思う人もいれば、そもそも外食は自粛すべきという人もいる。食事をともにする相手を気にしないという人もいれば、行動範囲の分かっている家族以外とは外食しないという人もいる。行政から明確な指針が出ていない以上、皆で感染防止の方向に向いているとはいえ、受け取り方や考え方が異なるのは当然です。慎重な人とそうでもない人、色々な人がいるわけです。 
 
それぞれ思うところはあるでしょう。しかし、それで揉めてしまったり、仲違いしてしまったりしては元も子もありません。何時も相手を尊重する心を持つこと、とりわけ非常時においては必要なことです。忍耐が求められる今ですが、常時の有難さを再確認しながら、感染防止に努めていきたいものです。

 

善福寺 住職 伊東 昌彦

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