あたりまえのことですが、誰にでも必ず死を迎える時がきます。高齢化が進み、平均寿命も伸びてきているこの時代、改めて人生の終末期をどのように生きるかということとともに、どのように最期を迎えるか、ということにもまた思いを巡らせる方も少なくないのではないでしょうか。核家族化か進む中、後継者がおらず自分の葬儀手配が実際に心配であるとか、自分の葬儀手配を生前に自分で済ませて、子供にできるだけ手間をかけさせたくない、といった様な心配、思いをかかえておられる方も決して少なくない昨今、それに対して備えたいという思いが、終活というひとつの言葉に凝縮されて響きます。
一方で、自分がどのように生きたかをきちんと伝えたい、まだ見ぬ子孫にも語り継いでほしい思いがある、長年の間に疎遠になってしまった友人や親類とも、何かのかたちで共に歩んだ人生の1ページ1ページを共有しておきたい、など自分史を残したいという思いもまた多くあるものでしょう。
万一のときがいつ訪れるかなど正直差し迫った問題ではない、と思われる方も多いかもしれません。ただいつか備えなければ、という思いだけは持っているという方は、エンディングノートという形で少しずつ考えをまとめるところから始められています。
実際万一のとき、家族は、自分がどうして欲しかったかということを、果たしてどのくらい分かってくれているでしょうか。家族や周りの人に対して、自分に万一のことが起こったとき希望を伝えられるものを予め用意しておくことは、自身のこうありたいを実現してもらう手助けとなるだけではなく、結果として家族や周りの人を助けることにもつながります。人生の最後をどのように演出したいか、自分の生きた姿、思いをどのように残し伝えたいか、エンディングノートの準備を始めてみて下さい。
終活という言葉が聞かれるようになり、エンディングノートに万一の時に備えて自分の意思、希望といったものを書き留めておくことを考える方も増えてきています。
ライフメディアのリサーチバンクが60歳以上の男女を対象に行った調査によれば、エンディングノートについて知っている人の数も半数近くにのぼり、また、特に自身のお墓や葬儀に関することや、家族への感謝のメッセージを残したいと考えている人が多い様です。
以下は、同調査の結果を質問項目別にグラフ化したものです。
- ■Q1.終活(しゅうかつ)とは、「人生の終わりをよりよく締めくくるための準備をし、より良く自分らしく生きていくための活動」のことです。あなたは、「終活」という言葉を知っていましたか?
※単一回答/60歳以上の男女(n=3433人)
出典:ライフメディア リサーチバンク調べ
(http://research.lifemedia.jp/2012/02/120229_endingnote.html)
人生の終盤、自分らしい終わり方を、と考えるのはとても自然なことだと思います。きっかけは最後を迎える時に、家族や周りの人に迷惑をかけたくない、自分で準備をすませておいて、サッと逝きたい、といったようなことかもしれません。
けれど、最期に後悔したくないのは残される方も、先に逝く方もきっと同じでしょう。
あれを聞いておけばよかった、こんなことを伝えておけばよかった、の後回しはもうできないのです。
元気なうちにきちんと準備して、自分らしく終わりを迎えるための終活では、主に次のような事柄を整理していきます。
終活において、抜け漏れなく伝えておくべきこと、伝えておきたいことの整理をするためには、まずエンディングノートを使ってみると良いでしょう。
こんなことも書き残しておかなければ、ということやあれも伝えておきたい、と気付くことが意外と多いかもしれません。
現在、書店店頭でもエンディングノートを多数目にするかと思いますが、大きくわけて以下の様な内容が含まれるものが多くなります。
・財産/保険の一覧
・誰にどうしてほしいかのリクエスト
・健康状態/健康保険の一覧
・なってしまった症状別の誰にどうしてほしいのかのリクエスト
・葬儀/墓地に関する手配済み状況、若しくは希望内容
・死亡通知を送って欲しい人のリスト
・プロフィール(学歴、職歴、夫婦、家族情報、その他)
・大切な人へのメッセージ(住所録+個別メッセージ)
どれも大切な項目ですが、事情は人それぞれ。ご自身に必要な項目をまとめてみてください。
のこす記憶.comが提供するオンラインエンディングノートでは、葬儀・お墓や供養に関する内容、また自分史の記録編集ができるものとなります。
終活においてご自身で必要だと思われる内容を考え、必要な項目によっては、市販のエンディングノートなどとの併用をなさると良いかと思います。人生の総棚卸しとも言える終活、まとめなければならないものも人それぞれです。ご自身の場合、何が必要かということも含めて、整理を始めてみてください。
終活を始めるきっかけは人それぞれかもしれません。現役引退のタイミングでそろそろ終活でも、と考える人もいれば、同世代の長年のご友人など親しい方の他界で終活を意識し、エンディングノートの記入を始める方、あるいはもっと若い時でも、例えば大病を患ったことを機に自身のエンディングについてまとめておこうと終活を始められる方も少なくないのではないでしょうか。
そして、そのような終活において共通して言えることは、人生の最期をどのように迎えたいか、どんなエンディングのシーン描きたいかといったことに向けて、しっかりと準備をしておきたいという意思や希望だと思います。 そんな終活における考えをまとめ、整理、記録するツールとして活躍するエンディングノートですが、なんといっても長い人生の総棚卸し、その考えを整理するといっても大変な作業です。
葬儀をどうしてほしいかなど、以前自分で書いたエンディングノートを見返す中で、やっぱりこうしてほしい、と気持ちや希望が変わることもあると思います。大事なお墓のことも親類と相談したり、いろいろ調べていく中で考えが変わることがあるかもしれませんし、また葬儀後の法事に関する希望にしても、少し前に書いたものを読み返すうちに考えが変わることもあれば、いろいろ事情が変わって希望する内容を変えなければならない、という場合もあるでしょう。また、亡くなった時に連絡してほしい人の住所録整理では、整理する中で加えたい人が出てきたり、現在の連絡先を調べたりと意外と時間がかかりそうです。
そのように、エンディングノートは一度で作り上げてしまえるものではなく、作りながら書きなおしたり、付け足したりが多く発生するものと言えるでしょう。
インターネット上にエンディングノートを保管するオンラインエンディングノートでは、
(1)書き直したり、変えたいところだけ作り直したりが簡単です。
(2)文章とともに、写真もデータ化して同じところに保存しておくことができます。
(3)万一の際、オンラインエンディングノートに遺した文章、住所録、写真など必要なものをデータで取り出せるので、遺族の方が簡単に必要な手配をすることができます。
タンスに大切にしまっておいたものも、一部がどこかへいってしまったり、古くなって見えづらくなってしまったり、といった心配は残るかもしれません。インターネット上にひとまとめにして大切な情報を保存しておくことで、便利で簡単なエンディングノート活用が可能になります。
終活でまとめなければならない情報は、どうしてもいろいろと多岐にわたります。そんな沢山の情報をインターネット上のオンラインエンディングノートに、パスワードで鍵をかけておくことで、整理された情報を、ひとまとめにして安全に手渡すことができるようになるので、いろいろなものをいくつかの場所にきちんとしまってあるのだが、自分しか分からないので見つけてもらえるだろうか、といった心配がなくなります。