小学一年生 黄色い帽子

小学一年生の黄色い帽子、ご自身の子供の頃の記憶やお子さん、お孫さんの入学の記憶として懐かしく思い出される方も多いのではないでしょうか。いわゆる通学帽ですが、主に登下校に不慣れな一年生が、一般に交通安全色とされる黄色い帽子を着用するというもので、歴史的には産業災害や交通事故の増加を受け1960年(昭和35年)閣議了解により毎年7月1日を「国民安全の日」と制定されたことをきっかけに、黄色い帽子の着用が大きく広まったと言われています。

 

ただ、全国的に見ると地域や学校単位でも黄色い帽子の着用は区々で、小学校一先生の最初の時期だけというところもあれば、一年間というところ、またずっと黄色い帽子という学校もあれば学年毎に色分けをしたり、またそもそも気候や他さまざまな理由から、黄色い帽子は着用しないというところもあり、調べてみると一様ではない様子が見えてきます。

 

黄色い帽子を着用させない理由のひとつに、黄色い帽子をかぶっていることで小学一年生であることが一目でわかり、却って誘拐や性犯罪などに遭ってしまう危険性が高まるというものが近年現実的な問題としてあり、安全のためにパッと目立つ配慮をそのような理由で変えなければならない理不尽さは、しっかりとした社会の目を改めて育てていかなければならないという責任を感じさせられるものかと思います。

 

 

小学一先生の黄色い帽子、ひとつひとつの帽子に、ひとりひとり違った想い出や記憶がたくさん詰まっていると思います。それはおそらく特別でも何でもない毎日のことで、何でもないごく普通のことがたくさん詰まっているだけかもしれません。けれど、その何でもない普通のことを、いつかきっと何より懐かしく思うかもしれません。

 

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