命とつながり

小さいころから顔は知っているけれど、朝、いつも道で挨拶をする程度の間柄、ちょっとしたご縁が元で、近所の買い物の時などにもよく挨拶はするようになったけれど、あまりよく知らない間柄-そういったふわりとした関係が幾重にも重なっていることが、都市部ではもはや珍しくなくなってきているかもしれない。例えば隣にどんな人が住んでいるのかさえ知らない、という人は実に6割とも、それ以上とも言われている。

 

無縁社会の進行などとも言われるが、それでも、そんなふわりとした関係は、長い間にまるで自分を取り巻く人の風景のようなものになっていく。特に何か、というわけではなくても、しばらく見かけないと、どうしているのだろうな、とふと気になってしまったり。。。

 

そしてある日、そんなふわりとした関係だった人が亡くなっていたことを知る。もう道ですれちがうこともないのだな…、駅や公園で会うことも、買い物途中に挨拶することもないのだな…、と。 そんな時、ふわりとした一枚一枚の記憶が、突然幾重にも重なって、いままで心の中にあった景色が一時、色濃いものになることがある。

 

何かの縁、という言葉があるが、何かしらそれを大切に思える気持ちを、まっすぐに伝えていける社会をのこしていきたい。

 

 

 

終活支援サイト『のこす記憶.com』がお届けする『のこす記憶.comコラム』では、日常生活の何気ない一コマから、のこし伝えていきたい記憶を不定期更新で綴ってまいります。