冬の海、冬の味覚と地方創生

地方創生政策の後押しもあってか、特に都心部の人にとって、国内各地のよさを再発見させられる、あるいは初めて知るという機会が増えているかと思います。地方のよさといっても様々ありますが、北風のつよい日、温かい冬の味覚はやはりその土地土地の豊かさを感じさせてくれる楽しみのひとつですよね。

 

鍋をみんなで囲んで楽しむ冬の海の幸、冬場の旬の味覚と言えば石狩鍋、あんこう鍋、蟹鍋、ぶりしゃぶ、てっちり、牡蠣鍋、たらちり、それに寄せ鍋やおでんにも冬の具材があふれ、数えきれないほどあるかと思います。

 

特に鮮度に左右されやすい冬の海の味覚は、やはりその土地土地で味わうことにまさるものはないでしょうが、輸送技術の進歩もあって都心部でも鮮度の高い魚介類を堪能することができるようになってきています。

そして、そのような昔から変わらぬ、体も心も温まる食卓の一部は、漁業に携わる人たちによって支えられているものですが、都市部の寒さに悲鳴をあげる人たちから見たら、冬の漁などもう想像もつかないくらい厳しいものだろうと思います。

 

そんな厳しい環境で働く人たちが抱える課題―東京一極集中を是正し、人口減や雇用減に苦しむ地方自治体の活性化を目ざし、日本全体の活力を上げることが目標とされる中、収入や将来性をどう確保していくのかということは、とりわけ一次産業全体での大きな課題となっています。

 

インフラ技術の進歩もまた、物理的な距離の短縮に一役買っています。地方創生政策が進む中で、東京一極集中の必要性をそもそも無くし、国内各地域・地方が、それぞれの特徴を活かして、魅力ある自立持続的な社会をふたたび形づくっていける様にしていくことで、季節毎の旬の味を親から子へと伝え、豊かな食文化をのこし伝えていける社会をも守っていきたいものです。

 

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終活支援サイト『のこす記憶.com』がお届けする『のこす記憶.comコラム』では、日常生活の何気ない一コマから、のこし伝えていきたい記憶を不定期更新で綴ってまいります。